2014年07月03日

アナ・ヴィドヴィチのギターリサイタル

anavidovic

























6月30日(月)、渋谷の大和田さくらホールへ、
アナ・ヴィドヴィチのギターリサイタルを聞きに行った。

2012年に続いて2度目に聞くアナのコンサート。
クロアチアが生んだ珠玉の女性ギタリストである。

今回は落ちついてより細部にいたるまでじっくりと聞け、
一層その音楽性に打たれた。

美人ではあるけれど、そのことでもってことさら話題にして欲しくない。
難技巧も随所に顔を出すけれど、それだけで語って欲しくもない。

彼女の音楽性をもっとも良く伝えているのは、紡ぎ出す余韻の豊かさにある。

1曲1曲が終わる、その最後のぎりぎりまで、いえ、それどころか、
最後の音が鳴り終わったその後にまで、どのひとつの音も、呼吸も、
ことのほか大切にしている。

この上なく繊細なピアニシモで消えていくその刹那刹那に命を感じる。

終わったとたん拍手の嵐がその余韻を揉み消してしまうのが残念な点は、
能の舞台が終わった後の、この世のものともあの世のものとも言われぬ余韻を
拍手が消し去り、一瞬にして現実の世界に引き戻される残念さに似ている。

ana



















終演後のサイン会。
そういえば、客席の圧倒的多数を30〜50代の男性で占めていた。
彼らが自らギターを弾く人なのかどうか知らない。

一般にそれほど知名度があるとは思えないので、
少なくともギター音楽ファンで、ギター雑誌を定期購読している
熱心なファンなのかもしれない。

団塊世代の夫婦連れの姿も少なくなかったので、
天使のような純潔さを持つ天才ギタリストを、
あるいは娘のように愛しく思うかもしれない。

私はギターという楽器のことを何も知らない。
それどころか音楽はどれもこれもまったく出来ない。
だから、演奏の良し悪しを語る資格はないし、難しいことは書けないけれど、
涙が出たことだけは確かである。


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