2011年11月03日

相模川から津久井湖へウォーキング3(発電、エネルギー)

相模川から津久井湖へウォーキング1(河岸段丘)
相模川から津久井湖へウォーキング2(川、岩石、扇状地)の続きです。


今回は最終回で少々長くなりますが、中ほどより下に、
津久井湖の神秘的な景観の写真を6点載せていますので是非ご覧ください。


城山ダムの区域に差し掛かると、
思いがけず左手に「城山ソーラーガーデン」が見えてきました。

太陽光発電普及の試みとして平成10年に設置された発電規模80kWの施設です。

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クリーンエネルギーであるとの評価のある太陽光エネルギーですが、
果たして十分なエネルギーを供給できるかと言えば、否です。

太陽光はお天気次第、また夜間や日の短い冬期には供給量が減ります。
年中安定した供給量を保てないというデメリットがあります。

さらにパネルを設置する場所にも限界があるでしょう。
仮に日本中の全部の家の屋根にソーラーパネルを設置したとしても、
その面積は国土の1%にも満たず、しかもそこで集められる太陽光のすべてが
効率よく電化されるわけではないそうです。

風力にしても地熱にしても、克服すべき問題がまだまだあるようです。

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さて、また地図です。
今度は城山ダムが地図の右下に来ています。

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城山ダムに着きました!
折から放水中の光景を見ることができました。

相模川を堰き止めて作ったダムです。
堤高 75m
重力式コンクリートダム
竣工 1965年
出力 250,000kW
目的 相模川の洪水調節、横浜市、相模原市、川崎市、湘南地域への
   上水道と工業用水の供給、発電(揚水発電)

揚水発電が一般の水力発電と異なるのは、電力の需要が少ない夜間に
電気を使って水を高地に引揚げ、電力の需要の多い昼間に、その水を使って
水力発電を行う点で、電力の需給バランスを保つのに貢献しています。

揚水発電所はふつうは電力会社主体により運営されるものですが、
この城山ダムは神奈川県が主体となって運営されています。

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ダムの後方に津久井湖が見えます。

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ダムを作るために、
いくつかの村が湖底に沈んだのです。

水力発電は元々の自然を破壊することの上に成り立っています。
複雑な気持ちになります。

津久井湖のレポートに進む前に、受験地理の知識を少々。

日本の電力供給源は近年において大きく変化しています。
1950年代に主力だった水力発電が、60年代に火力に逆転されました。

【理由】
1. 高度成長期に、より効率の良い発電方法が求められる中で、
一定の地理的条件を満たす広大な場所を必要とする水力発電は非効率的
2. 建設に莫大な費用がかかる
3. 自然破壊、村の水没による社会的コストが大きい
4. 電力消費量の多い大都市や工業地帯まで遠いことによる送電上の問題

電気はあまり保存がきかないので、燃料が近くにあり、また生産した電力を
すぐに供給できる臨海地区で火力発電が行われるのは当然の成り行きですね。

でも、オイルショックを契機に、80年代から火力発電にも衰えが見られ、
代わりに原子力発電所の建設が相次ぎました。

【現在のエネルギーと電力の供給割合】
水力8%、原子力29%、火力62%(石油13%、石炭27%、LPG22%)、その他1%

【日本のエネルギー自給率】
たったの4% !(水力、太陽光、地熱、バイオマス)。
石油、石炭、液化天然ガス(LNG)、原子力の燃料ウランは、ほぼ全部輸入です。
「エネルギー白書」による)


やっと、津久井湖に着きました!
 
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三井(みい)大橋より(↓)

それにしても美しい眺めです。
湖に沈んだ村の人々の、郷土への叫ぶ想いを、せめて償おうと、
精一杯に美しい姿でたたずんでいるようです。

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三井大橋に平行して歩行者専用橋が目下建設中でした。

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三井大橋の後、名手(なで)橋まで山の中を歩きます。(緑の線)

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名手(なで)橋の左側の景色

左に見えるあの山の中を通る515線を歩いてきました。
車1台がやっと通れるほどの狭い道ですが、全面通行止めとなっています。

人影がまったくなく、ときおり鳥か野生動物のしわざか、
カサカサっと枝葉や繁みが騒ぐと、どきっとして音のした方に目をやる・・・。

そんな、一人だったら昼間でも怖くて歩けないと思える道でした。

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515線は木が繁茂しているため眼下の湖は望めません。

ところが、通行止めの区間が終わり、人家がまばらに建つ部落を通り抜け、
角を曲がり、この吊り橋を少し渡ったとたんに、が〜んと胸を打たれたのです。

忽然と現れた美しい景観に衝撃を受けたことは前にもあります。
大正池を過ぎて角を曲がった瞬間に、屏風のごとく輝きながら高く聳え連なる
穂高連峰を見たときです。

あの上高地の衝撃とは比べられないにしても、徒歩で来られる範囲に、
かかる美しい景観が隠されていたことに、驚きと感動を隠せませんでした。

そこに、脱都会派、自然志向の人々が粋な居を構えていることも驚きでした。
電車など問題外、バス停や小中学校や商店ですらも大変に遠いというのに。

そしてこれは神奈川県と東京都のほぼ境目にあたります。

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今度は名手橋の右側(↓)です。

ここに来て子供がもらした言葉。
「ある意味、津久井湖の方が相模湖よりもはるかに神秘的だ。」

私もこれほど神秘的な湖をあまり見たことがありません。
ザルツカンマーグートですらもっと明るい開けた印象を持ちましたから。

左右の山のふところに抱かれて、ひっそりと静まり返る空間は、
不気味なくらいに神秘をたたえていました。

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相模川(津久井湖)はここで、大きく蛇行しているのです。
そのことがことさらに美しさを際立たせているのでしょうか。

4時になろうとしていました。
明るいうちに相模湖に着くのは無理と判断しました。

名手橋からだいぶ歩いて大通りに出ると、ちょうどそこへバスが来たので
三ヶ木まで乗っていきました。

バスの中で携帯電話が鳴りました。
今日送ったメールはきわめて急ぎの案件だと言うのです。
ウォーキングの途中でネットに繋いだときにそのメールは既に見ていました。

そうか、それほどに急ぎなんだ、家に帰ってからでは遅いんだ。
そこでバスの中で手紙の文章を練って下書きすることにしました。

三ヶ木で降りて相模湖行きのバスに乗り換えると、まもなく、
帝京大学薬学部の学生さんたちでガラガラのバスが満杯になりました。

そして、走っている途中に真っ暗になりました。
暗闇でも車窓からわずかに相模湖の湖水が見えてきました。

ここにJR中央線が通っています。
相模湖駅前でバスを降りると再度パソコンを開いて手紙を打ち込み、送信しました。

この日は、思う存分にウォーキングを楽しめただけでなく、
地理や地学の好きな子供と一緒だったおかげで、色々なことを教えてもらえて、
とても勉強になったし、また後々の生涯学習のためにも大きな刺激となりました。

歩数合計: 35,286歩
意外に少ないのには驚きましたが。


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