2009年04月12日

仕事、音楽、仕事

旅の仕事は春と秋が忙しくなります。一年中で一番の稼ぎ時です。
でも、今年は円高の影響で、4月に受けていたツアーが2本いっぺんに
キャンセルとなりました。
旅の仕事だけで食べている人はキャンセルされると大幅な減収となるので
大変です。若い頃の私がそうでした。

今の私には自分の会社があるので、薄給ながらも定収入があり、
ツアーがキャンセルになっても慌てません。
それどころか、体が少し楽になると言って喜んでいます。

旅の仕事と会社経営。
この2つの仕事の他にも、昔とった杵柄で音楽事務所の海外演奏家招聘業務も
手伝っているので、私は一年中大忙しです。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

その合間を縫って、このほど久しぶりにバイオリンのレッスンと室内楽に
行ってきました。

レッスンでは、スズキの4巻から、
ヴィヴァルディ 協奏曲イ短調の第1+3楽章
J.S. バッハ   ドッペル(二つのバイオリンのための協奏曲)第1楽章(セカンド)
を見ていただいています。

私の先生(息子の先生でもありますが)は、
スズキメソードのすべての先生がそうであるように、
一応弾けるようになった曲でもすぐには〇をくれません。

次の曲、そのまた次の曲に進んでも、2曲か3曲前の曲を平行してやります。
それどころか、しばらくしてだいぶ進んだところで、また古い曲を順番に
引っ張り出してきて、今度はピアノ伴奏テープに合わせて弾けるようになるまで
徹底的にやらされます。

そんなわけで、私はピアノ合わせの曲も含めると、大抵、5~6曲を常に
課題としてかかえている計算になります。

漆塗り方式とでもいいましょうか、同じことを何度でも繰り返しやり、
ある程度進んでからも常に古いところに戻って、より完成度の高いものにするという
ひと手間を忘れないのです。

自分の語学学習においてもこれと同じことをやっていました。
とにかく徹底して反復するのです。
ある本で読んだことですが、音読は50回繰り返すと「質」が変わるそうです。

語学、音楽、算数、やることは違ってもこの原理は共通しているように思います。

息子がバイオリンを勉強する上で、私はこの方法を信頼し
徹底して実行してきました。効果は言わずもがなです。

ところが、いざ自分自身のこととなると、いくら繰り返したとしても、
上手くなれるとはにわかには信じがたい・・・。
やはり、年齢のせいでしょう。弦楽器は小さいときに始めるのが一番です。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

11日(土)の朝は室内楽のアンサンブルに行ってきました。
こちらも2ヶ月ぶりです。
ちょっと顔を出さないうちに、また新しいメンバーが増えていました。

このアンサンブル、平均年齢は50代でしょうか。
とにかく、おばさん、おじさんばかりなのです。
よって、私には居心地が良く、続けていけそうな気がします。

中には国立大学の教授をやっているすごい学者先生もいますが、
そんな彼女もこのアンサンブルでは皆と同じくヴァイオリンを奏でる
ひとりのオバサンです。

専業主婦も、現役サラリーマンも、年金暮らしのオジサンも、教授も、
皆、分け隔てなく演奏に参加し、練習が終わった後は皆でランチを囲んで
四方山話をします。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

11日(土)の夜は、錦糸町のすみだトリフォニーまで
一橋大学管弦楽団のスプリングコンサートを聞きに行きました。

肝心の息子は行く行くと言っておきながら、頭が痛くて布団の中。

私一人で、はるばると聞きに行ったコンサートはなかなか立派なものでした。
一橋大学生を主体として、津田塾、東京女子大、東京学芸大学の学生も加わる
インカレのオーケストラです。

プログラムは、
シュトラウス    喜歌劇「こうもり」序曲
メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」
メンデルスゾーン  交響曲「宗教改革」
  
メンデルスゾーンがユダヤ人で、プロテスタントに改宗していたということを
プログラム解説を読んで初めて知りました。
メンデルスゾーンが尊敬するバッハの対位法の影響がところどころにうかがえる
交響曲で、私は生まれて初めて聞きました。

アンコールはルロイ・アンダーソンの「舞踏会の美女」。

去年からあちこちの演奏会でルロイ・アンダーソンの曲を耳にします。
それもそのはず、2008年はアンダーソン生誕100周年でした。
ボストン生まれ、ハーバード大学卒の作曲家。

ボストン・ポップス・オーケストラの定番のような20世紀アメリカ音楽は、
ヨーロッパの古典ばかり聞き慣れた耳には、新鮮で心地よく響きます。

4年前のクリスマスに息子と旅したボストンで聴いた本場のボストン・ポップスを
懐かしく思い出しました。(あの日のメインはサウンド・オブ・ミュージックでしたが)

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

一夜明けて今日12日(日)の午後は息子のヴァイオリン演奏会でした。
息子は、昨晩の頭痛もどこかへ吹っ飛び、朝から元気にリハーサルに
出かけていきました。

今回の演奏曲は、フランスの作曲家ショーソンの「詩曲」(ポエム)。

解釈も演奏技術も難しい難曲です。
この曲に決めたのが昨年の秋。それから12月まで練習していました。

1月からは受験に専念し、国立後期が終わって再開しようとしたところ、
左手首が不調で(痛くて)、練習どころではありませんでした。

病院で見てもらい、毎日湿布を取り替えたり、とにかく大事にして、
ようやく4月からまた練習を始めました。
そのため、練習不足を心配していましたが、案ずるより産むがやすし。
なかなかの出来栄えでした(親馬鹿)。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪

さあ、あと12時間後には沖縄に飛びます!
ですが、実は憂鬱な気持ちなのです。
沖縄でどこを担当するかが明日の夜の打合せまでわからないからです。
クルーズの仕事は大抵いつもそうなのです。

首里城なら3回行ったことがあるのですが、それ以外のところが当たったら
ろくに下見も出来ないまま、ぶっつけ本番です。

以前に、クルーズの仕事で青森と函館を下見なしでやったことがありますが、
そのときは、必要だと思われるありとあらゆる資料をインターネットから
ダウンロードして持っていきました。

青森の三内丸山縄文遺跡のときは30ページほど印刷して持っていき、
ホテルの部屋で深夜まで頑張っても読み終わらず、まして覚えられず、
清水の舞台から飛び降りるつもりで本番を迎えましたから。

あんなストレスは、もうあまりかかえたくありません。

なのに、こともあろうに、水曜日に沖縄から東京に戻るはずだったのに、
今晩電話が入り、沖縄から神戸に飛んで、関西でもう一仕事やることになったのです。

関西の後、東京に戻ると東京地区で3日間で仕事が続き、
その次の日は長崎行きです。

仕事とはいえ、ほんとうに辛いの一言です。

旅の仕事だけならいいのですが、私には会社の仕事もありますから、
両立するのは、ツアーの繁忙期には、並大抵なことではないのです。

でも、両方やってなんぼ。それでやっとご飯が食べられ、息子を大学に
やってやれるし、自分の趣味や勉強もできる、というわけですから、
弱音は吐けません。

でも、実際には、弱音、泣き言ばかり繰り返しています。
とにかく体がついていかない、年をとった、無理はできない、忙し過ぎ、
考え始めると泣きそうになります。

息子からは、まだまだ現役で働いてもらわないと困ると言われます。
ああ、好きな仕事をやりたいときだけやって、後は遊んで暮らせたら
どんなにいいだろうと言う私に、息子は「我侭だ」と決め付けます。

しょうがない!明朝起きたら、旅行カバンを詰めよう。
そして、とにかく行ってこよう。何らかの収穫はあるに違いないから。

でも、今回のクルーズ船が長崎港を離れたら、
ほんとうに自分の受験勉強を再開したい!

高校生の勉強をただやみくもにやっているわけではないのです。
いつか、本当にまた大学に入りたいという夢があります。

そして、一刻も早く思う存分バイオリンを練習したい!
アマオケや学生オケでばりばりと弾ける日を夢見ているのです。


この記事へのコメント
コアラの母さま

大変ご無沙汰してしまいました。
春と秋の観光シーズンは本当に落ち着かないんですよ。
東京に戻ってもほんのわずかな時間しかないので、
息子とすれ違いです。今朝、15分ほど会いました。
せっかくの大学生活の話を聞く機会もありません。

早く普通の生活に戻りたいです。
コアラの母さんをはじめ、皆さんのブログも読む記事がたまってしまって、一人取り残されてしまいました。

お嬢様の体調が良くないのですか?
ブログに書いていらっしゃいましたか?
まだ拝見していませんでした。
気候が不安定だからでしょうか。お大事にしてください。
Posted by MIKO at 2009年04月21日 00:03
ママゴン桜さま、返信が遅れてしまってごめんなさいね。

ツアーもようやく終わりに近づき、今日、長崎に飛んできました。
せっかくの長崎も今晩は雨。多分明日も雨でしょう。
以前にブログでご紹介いただいた甘いもののお店に行く時間が取れそうにありません。

本当は仕事の後に一日プラスして自由な日を作るといいのですが、帰る便も団体券にて指定されているので、今回は自由時間がゼロなんですよ。またの機会にはぜひ!
Posted by MIKO at 2009年04月20日 23:27
クイーンさま
コメントありがとうございます。
返信遅くなってしまってごめんなさいね。

クイーンさんもピアスやら観葉植物のことでいらいらすることがいっぱいでしょうが、スタッフの皆さんと歩み寄って円満な職場環境を作れるかどうかも、クイーンさんの才覚と努力と忍耐にかかっていますね。頑張ってくださいね。

大検で今年東大に入った30代の方のサイト、ちらっとクリックしてみました。
今は時間がありませんが、戻ったら拝見したいと思います。
情報をありがとうございます。
Posted by MIKO at 2009年04月20日 23:21
MIKOさん「今日には、お帰りかな〜〜」と思って
記事を読ませていただいたら、
ナント、今日から関西なのですね
ご多忙でご自宅に滞在されることが、ほとんどない状態ですね・・・
その間ご自宅の家事はだんな様?それともご子息様?
MIKOさんはお時間を見つけて(作って)
ご自身の教養を高めるために
いろんなことにチャレンジされていて
コアラの母は、恥ずかしくなります。
(無駄に毎日を送っている?・進歩がナイ

娘の調子が良くなくて、ここんとこ病院通いばかりです・・・

MIKOさんもご健康にはくれぐれもお気をつけくださいね

では、また。
(うまく絵文字が入りますように(^^♪

Posted by コアラの母 at 2009年04月15日 13:39
長崎案内で疲れたら、甘いモノを。

外国観光船なら桟橋から県美術館まで近いですね。
上の記事で紹介している梅月堂のシースクリーム、長崎港沿いの長崎県美術館のカフェにあったんだけど、調べたら出店をやめているようです。
現在入っている、ハウステンボスの料理長の料理も多分いいとは、思いますが。
美術館屋上からは、稲佐山や長崎港が、見えとても気持ちいいものです。
でも、お仕事場である外国観光船が目に入れば、休んでる気持ちがしないかな?
何事も体が、資本。
無理せず、頑張りすぎず、やっていきましょう。


Posted by ママゴン桜 at 2009年04月14日 22:04
おはようございます
MIKOさんのお客様はラッキーですよそんなに事前にたくさん勉強して、お客様に日本の良さを感じてもらえるように努力してくれるガイドさんは、そうそう会えないと思います。

語学習得で重要なのは模倣と反復ですが、音楽もそうですし、受験勉強もそうですよね。

お仕事大変でしょうが、お体を大事になさってくださいね。私も先日からのピアスの件やら観葉植物の件で血圧が上がりっぱなしです。

そうそう大検から30代で東大に入学された方のブログを見つけました→三十オヤジの東大キャンパス日記 http://30oyaji2009.blog40.fc2.com/ MIKOさんもますますご活躍を期待しています
Posted by クィーン at 2009年04月13日 10:23